Dr. Tairaのブログ

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カタバミとシジミチョウ


私はシジミチョウの普通種、ヤマトシジミZizeeria maha)の定点観察を数年続けています。悩みのタネがその場所での植生の変化です。たとえば、草刈りや地ならしや工事があって食草のカタバミOxalis corniculataがつぶされたり除去されたりすると、まったく意味がなくなってしまいます。

ウチの近くにあるグリーンベルトも定点にしていますが、ゲートボールを楽しむ高齢者の方々がいて(それ自体はいいのですが)、車で乗り込んだりするとカタバミやその他の野草が踏みつぶされてしまい、途端にヤマトシジミの生態に影響が出てきます。

写真1の場所も駐車場代りにされているところで、いつもヒヤヒヤしながら観察しているところです。少しずつですが、カタバミの群生の面積が減ってきている感じがします。

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写真1

いま、カタバミのかわいい花がたくさん見られます(写真2)。

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写真2

ところどころ、白いカタバミの花も見られます(写真3)。

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写真3

カタバミを囲むように、モカタバミOxalis articulata)やベニカタバミOxalis brasiliensis)がたくさん生えていますが(https://blogs.yahoo.co.jp/rplelegans130/16519721.html)、ヤマトシジミの吸蜜が見られるのはやはりカタバミが多いです(写真4、5)。

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写真4

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写真5

とはいえ、モカタバミにもけっこう吸蜜に訪れていました。写真6ヤマトシジミのメスです。

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写真6

この日はメスを中心に写真に収めました。狙いは青メスhttps://blogs.yahoo.co.jp/rplelegans130/16507949.html)です。写真7は、胴体を中心にちょっぴり青さがあるメスで、翅全体は薄い黒色〜灰色をしていました。

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写真7

こちらは薄く青みがかった個体で、翅の周辺は紫から褐色に輝いています(写真8)。

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写真8

さらに外からやや内側にかけて紫褐色の輝きを増した個体です(写真9、10)。

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写真9

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写真10

写真11はこの日撮った中で、一番の青メスでした。

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写真11

カタバミ畑には、ヤマトシジミ以外のシジミチョウもいましたのでアップします。まずはウラナミシジミLampides boeticus)です(写真12)。

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写真12

写真13は、ウラナミシジミのオスです。キク科センダングサ属の植物であるコセンダングサBidens pilosa var. pilosa)の花で吸蜜していました。

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写真13

こちらはウラナミシジミのメスです(写真14)。

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写真14

見た感じがヤマトシジミよりもやや小さく、飛び方がか弱い個体がいるなと思って近づいてみたら、ツバメシジミEveres argiades)でした(写真15)。

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写真15

さらにベニシジミLycaena phlaeas)がいました(写真16)。これもコセンダングサにとまっています。

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写真16

シジミチョウ以外のチョウもけっこう目撃できました。アオスジアゲハ、モンシロチョウ、キタキチョウモンキチョウルリタテハ、キタテハ、ツマグロヒョウモンイチモンジセセリです。

この中でモンキチョウColias erate)(写真17)とキタテハPolygonia c-aureum)(写真18、19)を撮ることができました。

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写真17

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写真18

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写真19

ちなみに、キタテハの種形容名は"c-aureum"というとおり、翅の裏側にアルファベットの"c"に似た模様があります(写真19)。同じ"c"の模様があるシータテハの種形容名も"c-"が付いて"c-album"と言います。

しかし、キタテハの黄色(-aureum)に対してシータテハの白色(-album)という形容はどういうことなのでしょうね。どちらも翅の色は黄色〜オレンジですが。