前のページで、チャドクガ(https://blogs.yahoo.co.jp/rplelegans130/16323738.html)やホタルガ(https://blogs.yahoo.co.jp/rplelegans130/16421034.html)などの、毒を持っているガの仲間を紹介しました。一方、毒針の強さという点では、イラガ科のガの幼虫が際立っています。
私はこの時期(9月)、2度イラガの仲間に刺されたことがあります。1度目は中学生の頃で、昆虫採集に訪れた山麓でイラガ(Monema flavescens)の幼虫に刺されました。2度目は割と最近で、庭の木の剪定を行っている時で、この時はアオイラガ(Parasa consocia)の幼虫でした(図1)。
図1. 葉の裏側に群がるアオイラガの幼虫
幼虫に刺された時は、いずれも電気が走ったような鋭い痛みというか、ザラザラしたもので皮膚を擦られるような痛みがありました(ヒメスズメバチに刺された時よりはまだマシでしたが)。
刺された場合は、すぐに流水で毒液と棘を洗い流すことと言われていますが、水洗すると瞬く間に水ぶくれが出てきます。痛みを伴って2–3時間指に膨らみが出ていたことを覚えています。中学生の時は、近くにあったアロエの断片を当てて対処しましたが、2度目は水ぶくれがひどかったので皮膚科の病院まで行きました。
幼虫の体全体にはたくさんの鋭い毒針があります(図2)。物理的な刺激を受けると、敵が来たと察知してすべての棘の先から毒液を一斉に分泌します。同時に棘が外れてくるのでやっかいです。刺された時は、皮膚に粘着テープを貼り付けて棘を抜く処置も必要です。毒の成分についてはよくわかっていないようです [1]。
参考文献
1. 中嶋暉躬: 昆虫毒の化学. 化学と生物 24, 677-681 (1986). https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu1962/24/10/24_10_677/_article/-char/ja/