Dr. Tairaのブログ

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晩秋のアカボシゴマダラの幼虫-2

 
前のページで、エノキの幼木に生息するアカボシゴマダラの幼虫について紹介しました。今朝、調査対象の一つである3 mの樹高のエノキをチェックしてみたら、褐色型幼虫の一つがいなくなっていました。
 
写真1が、昨日枯れかけている葉上に保護色状態でいた褐色型幼虫です。
 
イメージ 1
写真1
 
写真2は、今朝の同じ葉上を示したものです。幼虫の姿が見えず、白い繊維状の台座だけが残っていました。
 
イメージ 2
写真2
 
幹の下に移動したのだろうかと入念に探してみましたが見当たりません。昨日確認していた褐色型幼虫が2頭いるのみです。
 
ところが上の写真の葉とは異なる幹に褐色型幼虫がいることに気づきました(写真3)。確かこの位置には昨日いなかったと思うのですが(記憶が曖昧)。異なる幹で、しかも高さが1.5 mあります。わざわざ別の幹に移動するとも思えないですでが、不思議です。
 
イメージ 3
写真3
 
もう一つ驚いたのは、昨日幼木の枯葉(1 m程度の高さ)の中にいた褐色越冬型幼虫(図1左)が1日でいなくなっていたことです。今朝覗いたらもぬけの殻でした(図1右)。これも幹を中心に探しましたが、見当たりませんでした。
 
イメージ 4
図1. 枯葉の中にいた褐色越冬型幼虫の移動(左: 11月5日; 右: 11月6日)
 
どうやら、褐色型に変身すると、時を置かずして幹、あるいは地上に移動するのではないかと思われます。写真1図1のエノキの場所は300 mほど離れていますが、同じタイミングで移動するとは不思議です。
 
いまエノキの幼木に乗っかっている緑色越冬型を追跡調査して確かめたいのですが、公園の植栽の剪定・幼木の伐採作業がまた始まっているので、むずかしいかもしれません。