ホタルガとユウマダラエダシャク
この時期、ホタルガ(Pidorus glaucopis)がユラユラと飛び始めました。鱗翅目マダラガ科(ホタルガ亜科)のガの一種です。写真1は地面にとまったところを撮ったものです。
写真1
ホタルガの大きさは前翅長で25-30mmです。頭部が赤く、胴体と翅は黒色で、前翅の先端近くに斜めに走る白い帯があります(図1)。体色がホタルを思わせることでこの名前が与えられています。これはホタルへの擬態とも言われています。成虫の出現は6-7月と9月頃の2回です。幼虫はサカキとヒサカキを食草としますが、毒があります。
図1. ホタルガの成虫(原色日本蛾類図鑑 [保育社] より)
窓にはユウマダラエダシャク(Abraxas miranda)がとまっていました(写真2)。これはシャクガ科(エダシャク亜科)のガの一種です。写真は裏側から撮ったものです。前のページでウメエダシャクの大発生を紹介しましたが(https://blogs.yahoo.co.jp/rplelegans130/16319196.html)、同じエダシャクの仲間です。
写真2
ユウマダラエダシャクの大きさは、前翅長で30–40 mm程度です。翅は白色地に橙色と黒点の模様と灰色の黒紋がありますが(図2)、斑紋は個体によって変異があるようです。成虫は5-6月と8–10月の2回出現します。ユラユラと弱々しく飛び、すぐにとまります。幼虫はいわゆるシャクトリムシで、マサキ、コマユミ、ツルマサキが食草です。
図2. ユウマダラエダシャクの成虫(原色日本蛾類図鑑 [保育社]より)
シャクガ科は最も種類の多いガの分類群で、日本だけでも700種近くいます。