Dr. Tairaのブログ

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寄生蜂によるアカボシゴマダラ幼虫の死亡率

 アカボシゴマダラの幼虫はゴマダラチョウと同様にヒメバチ類による寄生率が高く、成虫になる前に死亡することが多いようです。私も越冬幼虫がエノキの幹上で止まっている間に抜け殻になっている姿を何度となく見てきました。
 
4月も半ばを過ぎて大部分のアカボシ幼虫は5齢幼虫に変身していますが、一見順調に育っていると思われる個体でもある日突然壊れてしまうことがあります。写真1はサナギ化の直前と思われる丸々と太った幼虫が突然崩れた例です。
 
イメージ 1
写真1
 
今日も崩れた個体を見つけました(写真2)。一昨日までは35 mmほどに育っていた5齢幼虫です。
 
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写真2
 
一体どのくらいの割合の寄生率で命を落とすのか追跡を行なっていますが、サナギになってからも中からハチが飛び出してくることもありますので結論を出すのにはかなりの追跡調査が必要です。少なくとも現段階では3割程度の幼虫が寄生で命を落としています。体力消耗やシジュウカラムクドリなどの野鳥による捕食での死亡も加えると60%近くが姿を消しました。