Dr. Tairaのブログ

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ヤママユ

ヤママユガのガはいずれも大型で迫力があります。日本在来の代表的な種がヤママユAntheraea yamamai)であり、北海道から九州にかけて分布しています。
 
昔は街中でも電柱や神社の外灯によく飛来して止まっていたものですが、近年は目撃する回数がめっきり減りました。幼虫が生息するブナ科の雑木林の伐採・減少とともに、個体数を減らしているように感じます。
 
今日通りを歩いていたら、ある家屋の壁にヤママユらしき大きなガが止まっているのを見つけました。残念ながら2軒向こうの遠い位置にあったのでうまく撮影できませんでした。2年前のこの時期にも別の場所(豊橋市)ですがヤママユを目撃しました(しかも2頭)。その時の写真をアップします。
 
写真1は、豊橋技術科学大学情報工学棟の入り口の上にいたヤママユの個体です。クモの巣に引っかかってしばらくバタバタしていましたが、やがて離れて飛んでいきました。
 
イメージ 1
写真1(撮影:2016年10月9日、愛知県豊橋市
 
写真2は、同じ場所でレンガの壁に止まっていた個体です。右下の翅がちょっぴり破けています。
 
イメージ 2
写真2
 
近づいて大きさを測ってみたら開長135 mmありました(写真3)。
 
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写真3
 
ヤママユの成虫は口が完全に退化しているため吸蜜ができません。したがって、蛹化以降は一切の食餌を摂らないことになり、羽化した後は1週間から10日ほどで寿命を迎えます。しかも年1回の発生で、出現期は通常8〜9月です。それらを考えると、この時期に同時に2頭目撃できたのは非常に幸運でした。
             
カテゴリー:昆虫の観察