オシロイバナは熱帯アメリカ原産の(日本では)一年草の移入種ですが、今ではすっかり野生化しています。とても丈夫な植物のようで、日当たりがよければ、場所を選ばず、やせ地やコンクリートなどのすき間でもどんどん育ってきます。
花は赤、黄色、白や絞り模様があるようですが、目立つのはマゼンタがかった赤色の花で、ウチの近くでは一番よく見かけます。基本的に夏の花ですが、10月半ばになった今でも見ることができます。あちこちでみかけたオシロイバナを以下に掲げます。
写真1は、マゼンタがかった赤色のオシロイバナです。
写真1
こちらは赤色の花(写真2)。花が萎んだ長い花筒も見えます。
写真2
赤色の隣にあった黄色い花(写真3)。ちょっぴり赤の絞りがあります。
写真3
写真4、5は白いオシロイバナですが、マゼンタの絞り模様があります。
写真4
写真5
オシロイバナと昆虫との関係を考えれば、ときおりガの幼虫がつくことがあっても食害はわりと少ないようです。種子や根にはトリゴネリン (trigonelline) という毒性成分が含まれますが、それも一因でしょうか。
ちなみに、柑橘類のゲッキツはトリゴネリンを含んでおり、ミカン科植物を食草とするシロオビアゲハの産卵を抑制して、食害を免れていることが知られています。
これほどオシロイバナが拡散して野生化しているということは、送粉に夜行性のガがけっこう関わっているということでしょうね。一度だけ、夜に吸蜜するセスジスズメ?を見たことがあります。花筒が長いのでスズメガのような大型のガでなければ吸蜜がむずかしいです。