日本で最も身近に見られる爬虫類の一種として、ニホンカナヘビ(Takydromus tachydromoides)がいます。ウチの庭でも夏になるとよく見かけますが、年を経るにつれて、やはりその数を減らしているように感じます。今日は全長18 cmくらいの個体がいました(図1)。
図1. 尾が再生したとみられる日本カナヘビの個体
よく見ると、図中矢印で示した部位から先端までの尾っぽが色が薄くなっています。ニホンカナヘビは、敵に追い詰められたりすると、自ら尾を切って逃げる性質があります。この個体もその経験があるようで、再生してきた尾が薄く見えているものと思われます。
再生した尾には骨がなく、元のように長くはなりません。事実、この個体の尾の部分は全長の60%弱しかなく、通常の個体の尾の部分が70%以上になるのと比べると明らかに短いです。
食性はおもに肉食であり、昆虫、クモ、ワラジムシ、ミミズなどの陸生小型動物を捕らえて食べます。しばしば落下果実も食べることがあるようです。子供の頃、よく捕まえて飼育しましたが、なかなか生き餌を食べてくれなくて、けっこう飼うのがむずかしかった記憶があります。