Dr. Tairaのブログ

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クラゲの水族館


加茂水族館山形県鶴岡市)は、小規模ながらきわめて特徴あるマニアックな水族館として知られています。それは、アシカのショーやウミネコの餌付けなどもあるのですが、何と言っても、全国的にも唯一無比と言っていいくらいのクラゲ専門の水族館であることです。噂には聞いていたのですが、訪れてみるとクラゲ、クラゲ、クラゲのオンパレードで、感動しました。一見の価値ありです。

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水族館に一角には、オワンクラゲから発光タンパク質(イクオリンGFP)を発見した業績で、2008年にノーベル化学賞を授与された下村脩博士に関する展示もあります。オワンクラゲは刺激を受けると生殖腺が青白く発光します。これは、細胞中にイクオリンGFPの発光タンパク質の複合体を持っていて、これが光るためです。

これらの発光タンパク質の遺伝子は、生命科学やバイオテクノロジーの実験におけるレポーター遺伝子として利用されています。レポーター遺伝子とは、標的遺伝子が働いているかどうかをみるために、その遺伝子の隣に組み込んでおいて、いっしょに発現するようにした、遺伝子工学的な仕掛けです。

たとえば、細胞中のA遺伝子の隣にGFPの遺伝子を組み込んでおけば、A遺伝子がはたらくと同時にGFP遺伝子も発現するので、その細胞は緑色に光ります。つまり、緑色に光っている細胞では、A遺伝子がはたらいているという証明になります。

GFPには、大学での実験で、私も大変お世話になりました。

下の写真は、加茂水族館からちょっと北側に行ったところにある湯野浜から見た、夕暮れの日本海です。遠くに漁火が見えます。

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