水族館に一角には、オワンクラゲから発光タンパク質(イクオリンとGFP)を発見した業績で、2008年にノーベル化学賞を授与された下村脩博士に関する展示もあります。オワンクラゲは刺激を受けると生殖腺が青白く発光します。これは、細胞中にイクオリンとGFPの発光タンパク質の複合体を持っていて、これが光るためです。
これらの発光タンパク質の遺伝子は、生命科学やバイオテクノロジーの実験におけるレポーター遺伝子として利用されています。レポーター遺伝子とは、標的遺伝子が働いているかどうかをみるために、その遺伝子の隣に組み込んでおいて、いっしょに発現するようにした、遺伝子工学的な仕掛けです。
たとえば、細胞中のA遺伝子の隣にGFPの遺伝子を組み込んでおけば、A遺伝子がはたらくと同時にGFP遺伝子も発現するので、その細胞は緑色に光ります。つまり、緑色に光っている細胞では、A遺伝子がはたらいているという証明になります。
GFPには、大学での実験で、私も大変お世話になりました。