Dr. Tairaのブログ

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モフモフなアオバハゴロモの幼虫


アオバハゴロモGeisha distinctissima)は、カメムシ目アオバハゴロモ科 (Flatidae)に属する昆虫です。成虫は、薄緑色の翅をもつきれいな姿をしていますが、幼虫はまるで違います。

幼虫は尾の端から白い蝋物質を分泌し、その粉末を全身にまとい、かつ少数個体の集団を作ります。そのために、幼虫が止まっている植物の茎や枝にもこの粉末が付着して、その付近が真っ白になります。モフモフ状態です。

図1はベイリーフ(月桂樹)に、図2ベニカナメモチに止まる幼虫です。ちょっと見ただけではわかりませんが、指で突くとパッと飛んで移動するので、個体であることがわかります。

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図1. ベイリーフの茎に止まるアオバハゴロモの幼虫(矢印)

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図2. ベニカナメモチの枝に止まるアオバハゴロモの幼虫(矢印)

近づいてよく見ると、頭部付近は、成虫と同じような形で眼があります(図3)。

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図3. アオバハゴロモの幼虫の拡大画像(矢印の部分が眼)

食性は幅広く、栽培植物につくこともあるので、害虫とされることもありますが、葉を食べるのではないので(吸汁性)食害は小さいです。それよりも、幼虫が発生した場所が粉を吹いたように真っ白になり、見かけが悪いので、嫌がられることが多いです。