私は学生時代に、沖縄と奄美大島にそれぞれ一回ずつ行きました。とても自然豊かであったことを覚えています。とくに本土にはいないベニモンアゲハやリュウキュウアサギマダラなどの蝶が飛んでいるのを見て、とても感動しました。
2ヶ月前、ユネスコの諮問機関である国際自然保護連合(IUCN)は、日本政府が世界自然遺産に推薦していた「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島、沖縄)について、「登録延期」を勧告し、推薦書の抜本的な改定を求めました [1]。今日のNHKニュース解説では、今月正式に登録延期となったことを受けて、この問題を解説していました。
IUCNは、評価基準の一つである「生物多様性」では固有種の多さなどで高評価を下したものの、もう一つの「生態系」においては、推薦した地域が24区域に分断され、本島北部や徳之島では飛び地も多いため「基準に合致しない」としました。
そして、2016年に変換された米軍北部訓練場の返還地を対象に加え、希少生物が少ない地域を除外するなどして、全体的な区域の見直しや再構成をすれば「基準に合致する可能性がある」と指摘しています(図1)。
さらに、観光客などの増加に伴う環境悪化に対する管理制度を整備することも提言しています(図2)。
放送では、さらに世界遺産登録への再挑戦として、この機会に具体的な保全策を講じることを述べていました。たとえば、固有種であるアマミノクロウサギは、道路上で年間24匹も死んでいるところが発見されているそうです。
すでに登録され、観光客の人数制限など厳しいルールを定めている小笠原諸島の南島などを、お手本にすべきだとも解説していました(図3)。
図3. 世界自然遺産登録への再挑戦へ向けて(2018.7.4 NHK暮らし解説)
参考文献