Dr. Tairaのブログ

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クロメンガタスズメ


この時期あちこちで家庭菜園の野菜が伸び始めています。トマトの茎と葉っぱもだいぶ大きくなってきました。トマトやナスの食害をもたらすのがクロメンガタスズメAcherontia lachesis)の幼虫です。南方系のガの仲間ですが、近年は関東でも見られるようになりました。

幼虫は典型的なイモムシ型であり、終齢になると100 mm以上になります。写真1はナスの茎にくっついていたものを採ってきたものです。鮮やかな薄青緑の体に黄色のストライプが特徴です。広食性ですが、とくにナス科の作物を好むようです。

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写真1

幼虫はこのほかに褐色型と黄色型が見られます。写真2は褐色型の幼虫で、トマトにくっついていたものを採ってきました。

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写真2

クロメンガタスズメ(黒面形天蛾)は、鱗翅目スズメガ科の一種で、成虫は開翅長100-120mmにも達する大型のスズメガです(図1)。背中部分に人面の模様があり、面形と言われる所以です。絨毯のような褐色のマダラ模様の前翅と鮮やかな黄色の後翅とあいまって、幼虫同様なかなか迫力があります。


以前の職場の建物には、外壁や渡り廊下によくクロメンガタスズメがとまっていました。図2はそのスナップ写真に一つです。ガラケーで撮っているので解像度が悪いですが、人面模様がよく見えます。

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図2. 人面模様がくっきりと出たクロメンガタスズメ(2012年9月、愛知県豊橋市にて撮影)

何となく「千と千尋の神隠し」の「カオナシ」のイメージがあるのですが。