Dr. Tairaのブログ

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ツマグロヒョウモン

昨日、散歩道でハクセキレイに会いましたが、今日はまったく同じ場所でツマグロヒョウモン Argyreus hyperbius に遭遇しました。元気に飛び回っていたため撮れたのはこの一枚だけです。
 
写真1は路上にとまるツマグロヒョウモンの♀。メスはその名のとおり前翅の先に鮮やかな黒紫と白色の模様があります。オスにはこの模様がありません。
 
イメージ 1
写真1
 
ツマグロヒョウモンはタテハチョウ科の一種でヒョウモン類には珍しく南方系のチョウです。かつては日本では南西諸島、九州、四国、本州南西部に分布は限られていました。私は1990年以前に関東に10年以上住んでいましたが、その時は一度も目撃したことはありませんでした。
 
1990年代中頃に愛知県に移りましたが、当初はツマグロヒョウモンを年に数回目撃する程度でした。しかし、その後年を追って見かけるようになり、今ではこの時期から秋にかけてあちこちで乱舞しているところを目撃します。
 
ちなみに、生まれて初めてツマグロヒョウモンを見たのは、福岡県太宰府市天満宮の境内で、1966年のことです。綺麗なメスで感動したことを記憶しています。

写真2は愛知県豊橋市で撮ったツマグロヒョウモンの♀。

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写真2
 
写真3岐阜県下呂市で撮ったツマグロヒョウモンの♂。向こうから手にとまってきました。
 
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写真3
 
ツマグロヒョウモンの幼虫の食草はスミレ科の葉っぱです。ビオラもよく食べます。
写真4のように、黒い体に赤の縞とトゲトゲがあるため、気味悪がられることが多いですが、上記のように綺麗な蝶になります。
 
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写真4
 
この前はSNS上で、北海道でツマグロヒョウモンを見かけたというツイートがあり、驚きました。急速に北上化しているようです。
 
ツマグロヒョウモン温暖化の指標昆虫の一つとしてもみなされているチョウです。昆虫は環境の変化に素直に応答しそこにウソはありません。確実に地球温暖化が進行しているようです。