Dr. Tairaのブログ

生命と環境、微生物、科学と教育、生活科学、時事ネタなどに関する記事紹介

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

COVID-19ワクチンとブレイクスルー感染:情報リテラシーが問われる

はじめに いまパンデミックの最中にあって、欧米や日本で接種が進められているCOVID-19ワクチンは、mRNAワクチンが主流です。この核酸ベースのワクチンについては、以前から研究されてはいるものの、感染症のワクチンとして適用されたのは今回が初めてです。…

日本の嘘によって、いま選手が代償を支払う

2021.07.27:22:05更新 いまテレビをつければ東京オリンピック一色です。ニュース番組さえ、感染状況を差し置いて、冒頭で「金メダル云々」というニュースを流しています。 一方で、海外のメディアはこのオリンピックの問題点を指摘する記事を次々と配信して…

東京五輪のオープニングを飾った悪名高き作曲家の曲

昨日の東京オリンピックの開会式では、ビックリすることが起こりました。噂されてはいましたが [1] 、選手の入場行進のオープニングで「ドラゴンクエスト」(ドラクエ)のテーマ曲が流れたからです。なぜ驚いたかと言えば、この曲の作曲者は反LGBTQ、超国家…

東京五輪で露呈したホロコーストジョークの炎上

2021.07.23: 13:14 更新 今回の東京オリパラ大会は、パンデミックという危難に直面し、1年延期したにもかかわらず第5波流行の中での開催という難しい状況になり、さらに開会直前になって、立て続けのスキャンダルに見舞われています。 東京大会に関わるこれ…

東京五輪を支える見えざる手

米国のニューヨーク・タイムズ紙は、7月20日、「東京五輪を支える見えざる手」"The invisible hand behind the Tokyo Olympic"と題した記事を掲載しました [1]。見えざる手とは日本の広告会社電通のことです。 記事の冒頭に「電通は、日本の主要な機関に深く…

シミュレーションによる感染予測はなぜ外れるか

はじめに シミュレーションとは、科学や工学の分野で言う場合は、ある事象を説明するのに、その場面を再現したモデルを用いて分析することです。モデル式およびさまざまなパラメータ(変数)の条件設定に基づいてコンピューターで計算し、実測データと照らし…

40-50代の重症者が増えているという情報の検証

はじめに 新聞、テレビ各社は、最近、東京都における新型コロナウイルス感染症患者のなかで、40-50代の入院数と重症者数が増えているということを伝えています [1, 2, 3]。小池知事は7月8日の記者会見で、ワクチン接種で高齢者の重症化が抑えられている可能…

ワクチン推進論文のミスリード−低所得者層が接種をためらう?

はじめに 先月(2021年6月)下旬、日本経済新聞が「ワクチン拒否は1割 全国ネット調査、若い女性目立つ」という記事 [1] を配信しているのが目に留まりました。この記事は、国立精神・神経医療研究センターによる新型コロナウイルスワクチンに関するインター…

ウィズコロナを意味のないスローガンとして否定するNZ

はじめに 2021年7月7日、ニュージーランド(NZ)が、英国式のCOVID-19と「共存」すべきだという提案(いわゆるウィズコロナ)を退け、ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相が提案した死のレベル(the level of death)は「受け入れられない」と述べたこ…

またもや飲食店狙いの感染対策への疑問

まえがき 昨日(7月8日)、菅義偉首相は、東京都に4度目の緊急事態宣言を発出することを表明しました。東京はCOVID-19の第5波に見舞われつつありますが、前回の宣言解除から3週間も経たたないなかでの宣言になります。新聞報道によれば、東京五輪の開催を最…

あらためて空気感染を考える

はじめに 新型コロナウイルスウイルスSARS-CoV-2の感染については、飛沫感染、接触感染、エアロゾル感染の三つの感染様式があると言われてきました。1年以上も前、このブログでもそれらを取り上げました(→新型コロナウイルスの感染様式とマスクの効果)。し…

ついに検査抑制方針を改善できないまま感染五輪を迎える

はじめに パンデミック宣言以来、日本はクラスター対策とともにPCR検査抑制を貫いてきたことは公然の事実です。検査を限定するために、当初は「37.5℃で4日間」などの検査の目安さえ設けていました。クラスターに集中して患者確定にPCR検査を集中適用するとい…