Dr. Tairaのブログ

生命と環境、微生物、科学と教育、生活科学、時事ネタなどに関する記事紹介

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

学会の検査の捉え方と1日20万件の検査の不思議

はじめに 安倍総理大臣は、2020年8月28日、辞意表明を行うとともに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策のパッケージの中身の一つとして1日20万件の検査を行なうことを発表しました。現在の検査能力と比べると、20万件/日という検査数はかなり増える…

新型コロナ流行の再燃と失敗を繰り返す日本

はじめに 安倍総理大臣は、8月28日、記者会見で辞意表明すると同時に新型コロナウイルス感染症に対する対策の見直しをパッケージとして発表しました。しかし、相変わらずの成果・検証抜きで新たな目標設定を行なうやり方であり、実効性は不明です。つまり、…

コロナ禍で氾濫するPCR検査に関する詭弁

はじめに コロナ禍の日本において顕著になったことの一つとして、PCR検査に関する詭弁やデマの流布があります。そして、これらがいわゆる感染症対策の中心を担う"感染症コミュニティ"から発信されることで、異常とも言える混乱を招いてきたという事実があり…

PCR検査の偽陰性率を推定したKucirka論文の見方

この記事は以下のURLに移動しました。 https://drtaira.hatenablog.com/entry/2020/08/19/204314

新型コロナウイルスに対するBCGワクチンの有効性に関する新たな知見

はじめに 米国の研究チームによる興味深い論文が、2020年8月13日、電子出版されました [1]。どこが興味深いかと言うと、新型コロナウイルスSARS-CoV-2のエンベロープのタンパク質が結核菌やらい菌の仲間であるマイコバクテリア(mycobacteria)の抗原タンパ…

発症前から発症時の感染者のウイルス伝播力が強い?

はじめに 先日、韓国の研究チームによる「SARS-CoV-2の無症候性感染者と発症者のウイルス保持量はあまり変わらない」とする研究成果 [1] を紹介しました(→無症状感染者は発症者と同じウイルス量を保持する)。そしたら、今度は英国イングランド公衆衛生局(…

無症状感染者は発症者と同じウイルス量を保持する

この記事は以下のURLに移動しました。 https://drtaira.hatenablog.com/entry/2020/08/10/113450

政府分科会が示した感染症対策の指標と目安への疑問

はじめに 現在、日本では、新型コロナウイルス感染症COVID-19の再燃流行状況下(マスコミが言う第2波)にあります。これに際して、政府分科会は、8月7日、感染症対策の指標と目安を含めた提言を行ないました。しかし、この提言には疑問に思う点があります。…

ウイルスの分子疫学と沖縄の流行把握への期待

2020.08.08: 15:29更新 国立感染症研究所は、8月5日、国内の新型コロナウイルス感染症の流行に関して最新のSARS-CoV-2のゲノム解析に関する中間報告をホームページ上に公開しました [1]。同研究所によれば、国内患者3618人、クルーズ船「ダイアモンドプリン…

長崎モデル−初のPCR集合契約

政府は5月25日の緊急事態宣言解除後、社会経済活動の促進に舵を切りました。感染が収束したら導入と言っていたはずのGoToトラベル事業も、東京除外ながら強引に始めました。しかしながら、経済を回すための新型コロナウイルス感染症対策がなかなか進みません…

コロナ禍で浮き彫りになった日本の科学の脆弱性と今後(その2)

はじめに 前回のブログ(その1)で、コロナ禍において、新型コロナウイルスSARS-CoV-2とCOVID-19に関する研究論文が世界中で量産されているのに対して、日本発の論文数は少ないことを述べました。これが、あらためて日本の科学力の低下をあらわにすると同時…

コロナ禍で浮き彫りになった日本の科学の脆弱性と今後(その1)

はじめに 新型コロナウイルス感染症の流行下においては、感染症抑制の対策とともに、病気の治療法を確立することやワクチン開発などが喫緊の課題としてあります。このためにはウイルスや病気の特性に関する科学情報が必須になります。7月26日放送のTBSテレビ…