2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧
先のページで Hestina 属越冬幼虫の生残率ついて述べました。↓ 寄生蜂によるアカボシゴマダラ幼虫の死亡率 - Dr. Tairaのブログ ゴマダラチョウではとくに寄生バチによる幼虫の死亡が生残率の低下の主原因とされていることが多いようです。 しかし越冬幼虫と…
この時期、アカボシゴマダラの5齢幼虫は続々と蛹化しています。とはいえ、前のページでも書いたように、ほとんどの場合、食事の場であるエノキを降りて別の場所で蛹化するので、その姿を見ることは容易ではありません。どうもこの行動は越冬明けの個体に見ら…
昨日と打って変わって今日はカラッとした青空の日でした。というわけで都市近郊のエノキがたくさんある森に出かけました。周辺には農地が広がる里山環境があります。 写真1は訪れた森の中にあるエノキの大木の一つです。 写真1 下草の間にはツチイナゴがいま…
今日は冷たい雨の日でした。雨の中昆虫の定点観察に出かけました。ある定点に行くとケヤキの葉にしがみついているモンシロチョウに出会いました(写真1)。ちょっと黄色味が強い個体です。 生まれたばかりでしょうか、非常に弱々しい感じで指で突いても飛ぶ…
私はアカボシゴマダラについて以前から不思議に思っていることがあります。それは、1本のエノキ低木・幼木に多い時は10頭以上の幼虫が発生するにもかかわらず、春の発生においてはそれらのエノキに蛹がほとんど見当たらないことです。抜け殻があったとして…
昨夜、自宅の風呂場の灯に誘われてベニモンアオリンガEarias roseiferaが飛び込んできました。その名のとおり、翅に鮮やかな紅色の紋があります。 私はこれまで何度となくこのガを目撃していますが、実はベニ紋の現れ方は個体によって非常に異なり(ほとんど…
今日はまた残念なことがありました。昆虫の定点観察の一つにしている里山環境の場所に行ってみると、何とこれまで観察してきたエノキが3本伐採されていました(写真1)。 写真1 これらのエノキは8–10 mの樹高で2 m弱のところに横に延びた下枝が出ており、葉…
越冬明けのHestina 属幼虫はこの時期5齢への脱皮が進行している最中です。一部はすでに蛹になっています。まず、この時期のアカボシゴマダラの典型的な5齢幼虫を示します。 写真1は脱皮後10日を経過したアカボシ5齢幼虫です。 写真1 こちらは脱皮後2週間を経…
この時期、エノキの幹や葉上を観察しているといろいろな昆虫に出会います。まずはナナホシテントウCoccinella septempunctata の幼虫です(写真1)。 写真1 こちらはサナギです(写真2)。 写真2 予期せずアカサシガメCydnocoris russatus に遭遇しました(…
アカボシゴマダラの幼虫はゴマダラチョウと同様にヒメバチ類による寄生率が高く、成虫になる前に死亡することが多いようです。私も越冬幼虫がエノキの幹上で止まっている間に抜け殻になっている姿を何度となく見てきました。 4月も半ばを過ぎて大部分のアカ…
この時期続々とアカボシゴマダラの5齢幼虫が発生しています。4齢で越冬した幼虫が春の訪れとともに起眠し、若葉が出る頃に脱皮して5齢になるわけです。 脱皮したての5齢幼虫の体色はエノキの若葉に対して保護色になっておりかつ擬態化していますので見つける…
今日、昆虫の定点観察の一つにしている都市公園に出向いたら、入り口に生えているマテバシイの木に管理者である市による掲示がしてありました。読んでみると、公園内のサンゴジュに害虫退治のためにトレボン乳剤を散布するとあり、驚きました。 トレボン乳剤…
定点観察をしているエノキ上のアカボシゴマダラの幼虫ですが、4月のこの時期6–7割が脱皮を終えました。最も早く5齢幼虫になったところではすでに蛹化への準備が始まっています。体長は40 mm近くになって背中の突起模様はほとんどなくなり(写真左)、食欲は…
今日の昆虫です。公園でタンポポにとまるキアゲハを見つけました(写真1)。翅が少し頼りなく羽化したてのようにも見えましたが、右の後ろ翅の赤紋が破けていました。 写真1 これも羽化したてと思われるきれいなベニシジミです(写真2)。 写真2 最後はアカ…
昨日からやっと気温が安定してきて春らしくなってきました。というわけで、アカボシゴマダラやゴマダラチョウの越冬幼虫に続いて、オオムラサキの越冬幼虫も落ち葉の下から起き出してきました。定点観察しているこのエノキでは、2匹幹上に上っているのが確認…
ゴマダラチョウやアカボシゴマダラの越冬幼虫の起眠率や生残率、そして成虫までたどり着ける確率はかなり低いと言われています。一説によれば羽化まで行けるのは10%くらいとも言われています。死亡する原因としては鳥などによる捕食、ハチ・ハエによる寄生、…
冬を越し起眠したアカボシゴマダラの幼虫ですが、この時期(4月上旬)さまざまな形態が見られます。 写真1左はエノキの幹上に上ってきてしばらく経った越冬型4齢幼虫です。落ち葉の下で15 mmほどの最小体長になった状態から徐々に大きくなり、脱皮直前の(頭…
今日は冷たい雨の日でした。普段はエノキ幼木の上を盛んに動き回っているアカボシゴマダラの5齢幼虫ですが、季節外れの寒さ到来でさすがにジッと動かずに耐えています。観察した個体のすべてに雨粒が乗っていました(写真1)。 写真1 昨日までの暖かさで一晩…
この時期、エノキの幼木上でアカボシゴマダラの幼虫がダイナミックな動きを見せている一方で、ゴマダラチョウの幼虫はどうでしょうか。アカボシゴマダラとは異なり大部分がエノキの大木の根元の陰にいるためより温度の変化を受けにくく、起眠する時期はやは…
この時期(4月上旬)、越冬明けのアカボシゴマダラの幼虫は続々と5齢幼虫へと脱皮しています。そして幼虫を最も探しにくいのもこの時期です。幹上や落ち葉の下はとにかく探せば比較的容易に見つかります。夏の葉上の幼虫は食痕や台座をたよりに探すことがで…
Hestina 属種幼虫をずうっと追いかけてきて、一般で常識化していることや何となく言われていることが、実はそうではないと思うことがたくさんあります。 その中の一つが先のページでも述べたように、「幹上で越冬するアカボシゴマダラ幼虫の優位性」です。す…
今日はたくさんのシジミチョウを見ました。ヤマトシジミ、ルリシジミ、ベニシジミなど。唯一写真に撮ることができたのがこれです。ムラサキシジミ。
越冬から覚めたアカボシゴマダラ幼虫は、気温が上がり始めるこの時期にさまざまな動きを示します。まずは、半数の個体はまだエノキの低木・幼木の枝の二又の位置に止まっています(写真1)。体は落ち葉の下と比べてだいぶ大きくなっています。 写真1 一方で…
越冬から明けたアカボシゴマダラの幼虫はいま大部分がエノキの低木・幼木の幹上で若葉が出るのをジッと待っています。一方で、昨日今日と冷え込んだように、幹上に到達したもののこの寒さと乾燥に耐えきれずに脱落し消えていく個体も多数見られます。 今日は…
越冬明けのアカボシゴマダラの幼虫はエノキ幹上にほぼ出揃ったようです。この3日間すべての定点で数が増えなくなりました。一方ゴマダラチョウの幼虫はまだ上り続けています。不思議なのは幹上に上って位置どりしていたこれらの幼虫がある日突然いなくなるこ…
今朝エノキ低木・幼木の定点調査に行ったところ、多くのアカボシゴマダラ幼虫が幹上で脱皮前の形態変化をしている中で、1頭だけすでに脱皮している個体を見つけました(写真1)。 4齢越冬型から立派な頭部突起が生えた緑とピンクの色の体に変化していました…