Dr. Tairaのブログ

生命と環境、微生物、科学と教育、生活科学、時事ネタなどに関する記事紹介

2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧

虫を通じた教育

私はこの20年間、小中高生や親子を対象とした環境や生物の体験学習のボランティア活動を行なってきました。たとえば、大学でも使うような最新の実験道具を携えての河川の水質分析、生ゴミ処理器の作成と実践、外来生物の探索、昆虫の野外観察などがあります…

セスジスズメ3齢幼虫の歩行

セスジスズメ(Theretra oldenlandiae)は、日本全土で最も普通に見られるスズメガ科のガです。その幼虫の姿もひんぱんに見ることができます。幼虫は広食性で、ブドウ科、サトイモ科、アカネ科、ツリフネソウ科などの植物の葉を盛んに食べます。以前のブログ…

アベリアとヤブガラシに群がる虫

春から秋まで、あちこちで見かける花の一つとして、アベリア(abelia)があります。公園や建物の中庭、周囲の植栽としてよく使われている植物です(写真1)。花に近づくといい匂いがします。 写真1 一方、ヤブガラシ(Cayratia japonica)は、その名のとおり…

大都市におけるカラスの定点観察

前のブログ記事でも紹介したように(https://blogs.yahoo.co.jp/rplelegans130/16308502.html)、福岡市の水上公園付近にはハシブトガラスがたくさん見られます。私は、東京の上野公園や名古屋市の鶴舞公園とともに、大都市におけるカラス観察の定点にしてい…

国産バターはなぜ高い?

今朝のNHK「あさイチ」の話題はバターと牛乳でした。日本ではこのところ、とくに冬場には「バター不足」となることがあります。このようなバター不足になることと国産バターが高い理由について解説していました。 バターは牛乳が原料です。すなわち、牛乳を…

セミの翅には抗菌作用がある

今朝9時のNHKニュースで、「セミの翅に抗菌作用の特殊構造」があると伝えていました(図1)。本ニュースの情報源は関西のNHKのウェブページにありました [1]。 「おや?、また新しい何かが発見されたのかな?」と思いつつ期待しながらテレビを観ましたが、正…

減らせるか? 使い捨てプラスチック

このブログでも、何回か取り上げてきましたが、石油系プラスチックごみやそれによる海洋汚染が、グローバルな環境問題になっています。今日のNHK「くらし解説」では、その対策の前提となる「使い捨てプラスチックの消費をいかに減らせるか?」というテーマを…

エメラルドグリーンのクリーク

この暑い中歩いていると、これまで見たこともないような色のクリークに遭遇しました。エメラルドグリーンというか黄緑色というか、見た目はとてもきれいな色のクリークです(写真1)。水の華の一種なのでしょうが、色から察するに藍色細菌(シアノバクテリア…

今朝の昆虫-8/27(ホオズキカメムシほか)

朝ゴミ出しをしていたら、柵に逆さまに止まっているホオズキカメムシ(Acanthocoris sordidus)を見つけました(写真1)。ヘリカメムシ科のカメムシの1種です。名前のとおり、ホオズキを含むナス科植物などの害虫として知られています。写真のものは体長12 m…

筑後平野から見た雲仙岳

雲仙岳は長崎県の島原半島に位置する火山で、総計20以上の山々から構成されています。有明海と橘湾に三方を囲まれているので、周囲360度を海から、そして北側の筑後平野からもそびえる山全体を眺めることができます。全体を構成する山の多さから、方角によっ…

筑後川昇開橋

今日は筑後川昇開橋(しょうかいきょう)の撮影に行きました。筑後川をまたいで、福岡県大川市と佐賀県佐賀市諸富町にかかる鉄道用可動式橋梁です。橋桁の一部が垂直方向に上下する現存の昇開橋としては、国内最古のものです。全長は約507m、可動部分の長さ…

エノキの観察

エノキ Celtis sinensis は、ニレ科(→アサ科)エノキ属の落葉高木であり、その葉はタテハチョウ科のオオムラサキ、ゴマダラチョウ、ヒオドシチョウやテングチョウなどの幼虫の食草でもあります。 今日は、福岡県筑後平野に見られるいくつかのエノキの定点観…

博多ラーメン

久しぶりに福岡天神の「ShinShin」ラーメンを食べました。とんこつスープ、細麺で特徴づけられる博多ラーメンの代表的なお店の一つです。博多駅店よりはまだ客は少なめかなと思って天神本店にしましたが、この暑い中、しっかり店の外に行列ができていました…

朝陽を浴びるウラギンシジミ

チョウはオスとメスとで色調や模様が異なる種類が多いですが、ウラギンシジミ(Curetis acuta subsp. paracuta)もその一つです。写真は朝陽を浴びるウラギンシジミのオスです。開長が20-27 cm程度のチョウです。 ウラギンシジミは、シジミチョウ科ウラギン…

ゴマダラチョウの減少

ゴマダラチョウ Hestina japonica は、タテハチョウ科に分類されるチョウの1種です。日本を含む東アジアに分布するチョウであり、国内でも北海道の南部から九州までほぼ全域に生息しています。幼虫の食草はエノキの葉です。 ゴマダラチョウは、私が小学生の…

ホシホウジャクの幼虫

ホシホウジャク(Macroglossum pyrrhosticta)は、ホシヒメホウジャク(https://blogs.yahoo.co.jp/rplelegans130/16410809.html)に似たスズメガ科のガです。成虫は、こげ茶色のまだら模様の前翅と黄褐色の後翅をもちます。花の周りをホバリングしながら飛…

アカボシゴマダラの目撃

柏市郊外を歩いていたら、二カ所でアカボシゴマダラを目撃しました。一カ所は高いエノキの木の上を悠然と飛んでいてとてもカメラに収められませんでした。類縁種のゴマダラチョウよりもゆったりとユラユラしながら飛ぶ感じですが、飛び方は似ています。 もう…

獲物を捕らえたシオヤアブ

シオヤアブ(Promachus yesonicus)は、カマキリと並び称される昆虫界きっての肉食ハンターです。同じ双翅目(ハエ目)の強力なハンターであるスズメバチも襲うことがあり、私も目撃したことがあります。 今日は、路上にじっとしているシオヤアブのメスを見…

テーブルの「輪じみ」問題

食卓テーブルなどに、うっかり熱い容器や冷たいコップを置いた後に残る「輪じみ」は悩ましい問題ですが、今朝のNHK「あさイチ」では、これの解決法を紹介していました。鍵はマヨネーズとアイロンです。 輪じみを解決できる家具職人がニューヨークにいるとい…

羽化したてのアオスジアゲハ

アオスジアゲハ(Graphium sarpedon)は、アゲハチョウ科の中で最も普通に市街地で見られるチョウの一種です。とくに、公園、街路樹、照葉樹林などで、めまぐるしく飛び回っている姿が見られます。 成虫は初夏から年4回ほど発生し、この時期は3回目の発生の…

ラベンダーに群がるセセリチョウ

都市やその周辺では年々昆虫の種の数が減少していることはよく知られています。それでも、都市近郊の緑が多い公園には、まだたくさんの種を見ることができます。比較的広い都市近郊の公園の一つとしては、船橋市が姉妹都市であるデンマーク・オーデンセ市の…

ツマグロヒョウモンの目撃頻度

以前のページでも紹介したように、国内で分布を広げている(北上を続けている)チョウの一つとしてツマグロヒョウモン(Argyreus hyperbius)が挙げられます(https://blogs.yahoo.co.jp/rplelegans130/16276882.html)。このチョウは、オスとメスでは翅の模…

ペットボトル飲料を口で飲むのは危険?

最近、インターネットやTVニュースでも取り上げられて話題になっていることの一つとして、「ペットボトル飲料を口をつけて飲むのは危険」というのがあります [1–3]。今日の日本テレビeveryでも取り上げていました。具体的には、ペットボトルに直接口をつけて…

保護したアカボシゴマダラ

アカボシゴマダラを保護してから1週間が経ちました。日に日に翅がちぎれ、片翅がほとんどない状態になっていますが、まだ元気で死ぬまでもう少し時間がかかりそうです(図1)。 口吻を観察するために、5%甜菜糖(てんさいとう)溶液を、キッチンペーパーに浸…

ペチュニアとキアゲハ

ペチュニア(Petunia)は、ナス科ペチュニア属に属する草本の総称であり、園芸植物として観賞されています。花の色はピンク、赤、赤紫、紫、青紫、白、白黄など多彩で、花容もバラエティに富みます。 今日、通り沿いにピンク・紫のペチュニアを見つけ、しば…

ブルーベリー狩り

今日は、千葉県鎌ケ谷市にある農園まで、ブルーベリー狩りに行きました。海上自衛隊下総航空基地の周囲をぐるりと回りながら車で行くと、まもなく農園に到着しました。ちなみにこの基地にはP-3C哨戒機が常駐していますが、道中外からは見えませんでした。 ブ…

ユズの上にいたムラサキツバメ

ユズ(柚子、Citrus junos)はミカン属の常緑小高木であり、その実の消費量・生産量はともに日本で最大の柑橘類です。今日、ホームセンターで売られているユズの木を見ていたら、葉に食害の跡がありました。「ああー、アゲハがいるな」と思って探してみたら…

歩道の上のクスアオシャク

クスノキの並木がある歩道を歩いていたら、クスアオシャク(Pelagodes subquadrarius)が地面にいました。シャクガ科・アオシャク亜科のガの一種で、クスノキが幼虫食餌植物です。薄い青緑の色の翅がきれいです。 アオシャクの種類はたくさんあって種の識別…

フヨウの花

この酷暑の中、フヨウ(Hibiscus mutabilis)の花が咲いていました。立派なフヨウの木で、3 mくらいの高さがあるでしょうか。 フヨウは、アオイ科フヨウ属の落葉低木で、同じ属のムクゲの花(https://blogs.yahoo.co.jp/rplelegans130/16362876.html)とよく…

窓に止まるノコギリクワガタ

ビルの廊下を歩いていたら、窓の外側にノコギリクワガタ(Prosopocoilus inclinatus)がへばりついているのを見つけました。日本国内に広く生息している、代表的な大型種のクワガタムシです。 本種は、個体によって大きさや顎の形(ノコギリの部分)が大きく…